八王子社の歴史
八王子社は海の神であり、船の神として尊信されています。
鎌倉時代中期の正応元年(1288年)に、伊勢国渡会郡の箕曲大社より勧請した神社として伝えられています。
社殿は神明神社と同様に伊勢神宮の御遷宮の折りに造営されていましたが、
中古以来は、神明神社の御古材によって八王子社の社殿を造営しており、八王子社の御古材もまた、島内のお社へ移されます。
永正14年(1517年)には、箕曲大社の神宮が獅子頭八頭を度会郡山田郷の8社に納め、そのうち一頭が八王子社に奉納され御神宝として大切に守られています。
八王子社の由来
篠島では新年3日の夜に八王子社の神オジンジキサマが神明神社に渡るとされており、部屋の明かりを消し物音も立てずに
島の人々はみんな家にこもるのが風習になっていた。
ある年に、そのお渡りの最中に犬が吠えた。
神事は無事終わったものの、それ以来海が荒れてしまい漁業ができなくなってしまった。
海を沈めて欲しいと八王子社へ祈願へ行くと狛犬が台座から転げ落ちた。拾って置き直したのだが、翌日行くとまた落ちている。
それが続いたので、八王子の神様は犬が嫌いで怒って海を荒らしていると考えられた。そして島から犬を追い出すことが決まった。
狛犬も医徳院へ移すと、ようやく海は静まって漁業ができるようになったという。