
神明神社
二十年ごとに、伊勢から社殿が渡ってくる。
伊勢神宮では、二十年に一度、社殿をそっくり建て替えます。式年遷宮です。
役目を終えた社殿の用材は下賜され、海を渡って、この島に届きます。
伊勢神宮の社殿一式を、いまも移し続けている場所は全国で篠島だけといわれています。宝亀二年(771年)から、千二百年あまり。造営も遷宮も、島の大工と島の人の手で行われてきました。
大舟の玄関を出て、歩いて三分ほどのところに、その社があります。
伊勢から、島へ。
二十年ごとのリレー
建物が、場所と役割を変えながら受け継がれていきます。
- 伊勢神宮 内宮 東宝殿・西宝殿として建つ。御垣内に囲まれ、参拝者が近くで見ることはできません。 20 years
- 篠島 神明神社 下賜された御古材で社殿を建て替え。伊勢では見られない社殿が、目の前に立ちます。 + 20 years
- 篠島 八王子社 役目を終えた神明神社の社殿が、こんどは八王子社の社殿になります。 + 20 years
- 島の小さな社へ 八王子社の御古材は、島に点在する祠へ。柱は、まだ終わりません。 + 20 years
一本の柱は、伊勢での二十年を含めて、八十年を生きることになります。壊して捨てるのではなく、役割を変えながら、島の中を下っていきます。
昭和四十九年(1974年)に内宮の東宝殿が、平成七年(1995年)には西宝殿が下賜されました。直近では平成二十五年(2013年)の第六十二回式年遷宮を受けて、平成二十七年(2015年)に神明神社の社殿が建て替えられています。
いま目の前に立っているのは、その社殿です。
神明神社の歴史

篠島のほぼ中心にある神明神社は、倭姫命が尾張中島宮から海路渥美宮に渡航の途中、篠島に立ち寄り、この地を御神界と定められたことに始まると伝えられています。島の風光と、島の人の情に心を動かされたのだといいます。
宝亀二年(771年)には、伊勢神宮より土之宮を勧請し「伊勢土之宮」と称されました。土之宮を勧請してからは、伊勢神宮に参拝する者は「宮巡り」と称して篠島に渡り、必ず伊勢土之宮に参拝する慣わしとなりました。
悪天候などにより篠島に渡れない場合は、伊勢市の二見浦にある遥拝所より篠島に向かい、土之宮を拝したと伝えられています。伊勢へ向かう前に、まずここを通る。そういう社でした。
後に神明宮と改称され、さらに明治中期より神明社、昭和20年代に神明神社とされ、現在に至っています。
| 御祭神 | 大土御祖神(おおつちみおやのかみ) 大歳神(おおとしのかみ) 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ) |
|---|---|
| 創建 | 宝亀二年(771年) |
| 社名の変遷 | 伊勢土之宮 → 神明宮 → 神明社 → 神明神社 |
| 鎮座地 | 愛知県知多郡南知多町篠島字神戸101 |
| 大舟から | 徒歩約3分 |
| 篠島港から | 徒歩約10分 |
| 参拝 | 境内自由 ペットを連れての入場はできません |
境内で、見ておきたいもの
小さな境内です。ただ、近づいて見られる距離にあります。
社殿
由緒碑
説明板



島の灯が、いっせいに消える夜
正月祭礼・大名行列。この社が、一年で最も動く二日間です。

八王子社の男性神を、島の人は「オジンジキサマ」と呼びます。年に一度、この神が神明神社の女性神のもとへ渡り、一夜を過ごして帰る。その道中を守るのが、大名行列です。
三日 昼|前浜を、行列が通る
扮装した厄年の男たちが二列の隊列を組み、掛け声とともに舞います。行列が通るのは前浜(ないば)。翌四日に奴踊りが舞われるのは篠島海水浴場——どちらも、大舟の目の前の浜です。
三日 十八時ごろ|オワタリ
オジンジキサマが八王子社を出て、神明神社へ向かいます。この神事は、見てはいけません。見ると目が見えなくなる、と伝えられています。そのため、この時間だけ島中の電気が消えます。街灯も、家の灯りも、宿の灯りも。観光客も見ることは許されません。
十五分から三十分ほど、島は星明かりだけになります。
そして、太鼓が鳴る
御神体は、紙垂(しで)に覆われた直径一メートルほどの塊。その下は獅子頭だと言われています。運ぶのは「庁屋の人」と呼ばれる人々で、神体に触れるために、寒中の海で身を清めてから臨みます。
到着すると、神明神社で太鼓が打ち鳴らされます。島の人はその音を合図に、我先にと神明神社へ向かいます。早く参るほど御利益があると伝えられているからです。島の初詣は、この夜から始まります。
四日|お帰りと、オタナギサマ
一夜を過ごしたオジンジキサマが、大名行列に守られて八王子社へ戻ります。篠島海水浴場で奴踊りが舞われたあと、御神木オタナギサマをめぐって、厄年の男たちが激しく揉み合います。三度引き回し、最後は海へ流す。厄が離れていきます。
- 開催日は例年1月3日・4日ですが、年によって日程・規模が変わることがあります。おでかけ前に篠島観光協会へご確認ください。
- オワタリの時間帯は、館内も消灯し、カーテンを閉めてお過ごしいただきます。外に出ることはできません。
- 年末年始のご宿泊・お食事は正月料金となります。詳しくはお電話でおたずねください。
参拝のご質問
大舟から歩いて行けますか。
歩けます。神明神社まで徒歩3分ほど、八王子社まで徒歩2分ほどです。二社のあいだも徒歩5分ほどですので、チェックイン前やお帰りの朝に、あわせてお参りいただけます。
拝観料や、参拝できる時間は決まっていますか。
拝観料はありません。境内は自由にお参りいただけます。夜間は足元が暗くなりますので、明るいうちのご参拝をおすすめします。
神明神社と八王子社、どちらから参ればよいですか。
決まりはありません。大舟からは八王子社のほうが近く、二社のあいだも歩いて五分ほどです。女宮(神明神社)と男宮(八王子社)の両方をお参りすると縁が結ばれる、と言われています。
ペットを連れて入れますか。
神明神社・八王子社ともに、ペットを連れての入場はできません。八王子社には、神様が犬を嫌うという言い伝えが残っています。
御朱印はいただけますか。
社務所の対応状況によります。確実に受けたい場合は、篠島観光協会または神明神社社務所へ、あらかじめお問い合わせください。
次に社殿が新しくなるのはいつですか。
伊勢神宮の第63回式年遷宮は2033年(令和15年)に予定されており、その準備の諸祭はすでに2025年から始まっています。篠島の御遷宮は、前回は伊勢の遷宮から二年後に行われました。いま建っている社殿を見られるのは、それまでのあいだです。
島の朝日は、
泊まった人だけのものです。
ご予約は現在お電話のみで承っております。アレルギーや苦手な食材、お子様のご事情、港からの送迎も、その場でうかがいます。
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